押井 守
先週NHKBSで押井守の作品を放送していた。
押井守といえば、「うる星やつら」、「機動警察パトレイバー」、「攻殻機動隊」などが代表作であるが、実は筆者は名前はよく知っているが、作品はそれこそ「パトレイバー」ぐらいしか見たことがない。
そこで今回は見たことがない作品をみてみようと意気込んでいたのだが、放送時間をまちがえたり、忘れたりで結局、「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」だけ見ることができた。
見た感想は正直言って「難解」。最後までみても作品を理解するのにちょっと考えないとダメというのが率直なところ。「うる星やつら」ってこんなわかりにくかったっけ?ラブコメ的な物じゃなかったっけ?なんて思っちまいましたな。(でも面白いんですよ。これはこれで)
この映画をみたとき原作者の高橋留美子さんは試写をみて激怒してしまったという。多分作品自体が原作者の高橋留美子の物ではなく、押井守の「うる星」になってしまっていたからなんでしょう。(ちなみに押井守は脚本も担当している)
筆者はパトレイバーの映画版2作品しか見ていないと書いたが、映画版の1はコンピューターウイルスの危険性を取り上げた話。2は元自衛隊員によるクーデターによって引き起こされた「東京を部隊にした戦争」の話。 1が制作されたのは1989年。まだコンピューターウイルスなんて言葉が一般的ではない頃にこんな内容で作品を作る先見性は結構驚愕。(今見るとさらに現実味がわく)。2は内容がさらにシリアス。PKO活動による海外派遣や、破壊活動防止法(要するに破防法)なんて言葉もでてくる。(ちなみに破防法が話題になった地下鉄サリン事件がおこったのは1995年)。
この監督の創造性や、先見性は確かに目を見張る物がある。たかだか3作品を見てないをいわんやという方もいらっしゃるかと思うが、パトレイバーを見た頃からの正直な感想である。なんだろう、大衆に媚びないつくりというか、わかる人にわかればいいよという作風にも見える。パトレイバー2なんてレイバーの格闘シーンなんてほとんどなく(むしろ自衛隊の攻撃ヘリとか、戦闘機とか現実に使用されている兵器の活躍シーンの方が多い)、自衛隊と警察の対立、警察の「現場」と「上層部」の対立など社会派ドラマを彷彿とさせるような描写が多いんです。「「パトレイバー」を漫画で見てファンになった人はかなり違和感あったと思う。
個人的には押井守って好きな部類に入る監督だと思う。パトレイバーを見たときは2作品とも引き込まれたし、今回「うる星」を見たときも、「やっぱり押井作品だ」と妙に納得できた。この監督は「攻殻機動隊」で「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟に影響を与えているし、「踊る大捜査線」の本広克行監督は踊る2の制作時に作品の雰囲気を掴ませる為にスタッフに劇場版パトレイバーを見させたらしい。今回がいいきっかけなので「攻殻機動隊」や、「イノセンス」も見てみようかな。
2008年には新作が劇場公開されるらしい。詳しくはコチラ。どんな映画になることやら。
あとこんなこと書いている人もいる。かなり強烈だけど、ここまで書くとなるとそれなりに押井作品見ているんだろうなと関心する。
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